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Blood of Love
第5章 気配

「ダンスの時間が始まったみたいね!レース、ここで一瞬に踊りましょう?」
「ああ、もちろん。お手をどうぞ、お姫様」
私はレースの手に自分の手をそっとのせた。
そして、音楽に合わせてダンスを踊り始める。
夜空の星はまるで私たちを見守るかのように綺麗に光らせていて、
お花たちも踊っているかのように花びらを揺らす。
なんだか夢の国にいるみたいだった。
「………」
でも、踊り始めて数分経ったとき、
レースの顔つきが少し険しくなった。
踊りを止めて、私の後ろ斜め右を見つめるレース。
「……エミリア」
「なあに?難しい顔して…」
「ちょっと、場所を移動しよう。誰かいる」
「え……ひゃっ!?」
私が返事をする暇もなく、レースが私をお姫様だっこする。
それと同時に、バサッと何かを開いたような風をきる音がして私とレースが宙に浮く。
「え、ちょっ…え!?」

