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夜伽月 よとぎづき 
第7章 秘密
気付いたことを清賢が知ると、慌てて身体を離した。

…ど…どうしよう。

月を抱いたからでは無いことは、確かだった。

…男性が好きだってこと?それとも…死姦?

目まぐるしく月の思考は錯綜する。LGBTの人口に対する比率は、いつの時代も変わらなかったし、男性同士の睦事は日常的にあることだったと大学で習ったことがあった。

「申し訳ありません」

清賢はとても動揺していたし、月はどのように声を掛けて良いのか戸惑った。

「私は…石打ちと…同じ…なのです」

何か話さなければいけないと思うほど焦る。しかし黙ったままでは、清賢を傷つけてしまう様な気がした。

「お…同じじゃないわっ!貴方は違う」

清賢が石打ちと同じだとは到底思えなかった。それは本当のことだし、もしも清賢が石打ち同じならば、人など助けない。その証拠に石打ちはぶらぶらするばかりで怪我人の看病も仕事も洞窟でしているのを見たことが無い。

「人の苦しむ顔で…興奮や快感を感じてしまうのです」

月はそれを聞いて思い当たる節があった。

「特に人の血に対して見境いが、無くなってしまうのです」

いつも冷静な清賢だが、負傷者を治療して居る時には、様子がおかしい事が度々あった。清賢の顔は紅潮し、過度に集中し過ぎていると思ったことがあったからだ。月は沢山の怪我人の治療をしたことが無いせいで、清賢は緊張しているのだとばかり思っていた。

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