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夜伽月 よとぎづき 
第7章 秘密
「...どんなに苦しくても、あなたは死んではいけない。それが妹さんにあなたにしか出来ない贖罪なんだと思う」

朝に夕に時間さえあれば、清賢は経を読んでいた理由が分かった気がした。

「あなたの秘密は誰にも言わないわ。さぁ…蓬のある場所を教えて下さい。あと一刻は歩かなければならないでしょう?」

「はい…」

月と清賢は静かにその場所を離れた。月達が洞窟に戻ったのは、薄闇が辺りを包む頃だった。

夕食の準備が進んでいる様だったが、雰囲気がいつもと違う。いつも騒がしい女達が、月と目を合わそうとしないのだ。

「何かあったのかしら…」

湯浴みをさせられ、月だけ別の場所へと連れて行かれた。いつもよりも綺麗な着物を着せられ、洞窟の奥へと案内される。

「あの…清賢和尚は?いつもは小坊主さんも一緒に3人でご飯を食べる筈なんだけど?」

案内をする女は、深く頭巾を被っており、ギョロッとした目だけが見える。今まで一度も見たことが無い女の様だ。

女は一言も喋らず、奥へ奥へと月を連れて行く。不安になった月は、そっと小石を拾い分かれ道に来るたびに女に見つからない様に、壁にバツ印を付けた。

右に曲がったと思えば、左へと曲がり、万が一にも女と逸れでもしたら、迷って出口には辿りつけそうに無い。女は歩くたびにかちゃかちゃと金属の音が洞窟に響く。
…この奥にも牢屋でもあるのかしら?

見張り番が同じ様に鍵の音をさせていたのでふと月は思った。

「あのぅ…」

女はまるで月の話が聞こえないかのように振る舞うので、もう一度声を掛けた。

女はくるりと向きを変え、頭巾をそっと外した。

「…。」

その姿に月は思わずギョッとした。

女の上下の唇には3箇所ずつ穴が空いており、そこには重そうな鍵が付いていた。その錠前が歩くたびにかちゃかちゃと音を立てていた。
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