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夜伽月 よとぎづき 
第2章 水琴窟
水琴窟には、入れ替わり娘たちが親に連れられてやってきた。月の仕事と言えば、その様子を障子の影からそっと覗くぐらいだった。

娘たちの年齢は高くても17・8歳。20歳で“薹が立った”と言われ、25歳を過ぎれば“行かず後家”と噂されると、かんざし婆は教えてくれた。

…わたしももうすぐ“行かず後家”。

昔は12歳ぐらいでも子供を産み育てたりしていたと聞いた事があるが、改めて聞くと衝撃的である。

「月はまだ若いだろ?心配することねぇさ」

かんざし婆は月の尻をパシッと叩いた。

「あの…」

…今なら完全にモラハラ。

「23です…」


「へっ!?」


かんざし婆は、素っ頓狂な声を上げた。


「あたしゃてっきり…小鳥よりもちょっと上ぐらいかと思ってたよ!」


かんざし婆は、月の胸をちらりとみた。


「ひ…酷い。こう見えても成人してるんだけどな」


コンプレックスをずばり指摘され、がっくりと肩を落とした。


「子供は?旦那はいるのかい?」

「いえ…どちらもいません」

「じゃぁ何してるって言うんだい?」

「助産師…産婆の仕事をしてました。新米ですけれど」

「そうだったのかい!なら話は早い。水琴窟と産婆の仕事をして貰おうじゃ無いか!なんでそれを早く言わないんだ!」

…モニターも何もない所でのお産なんて経験した事は無い。

「む...無茶ですよ」

「未来だって女が子供を産む事には変わりないんだろ?」

「そうですけど…この世界とは随分と勝手が違うんです。機械を使ってお腹の中の赤ちゃんの様子を見ながらとか、母体の様子を観察しながらとか…」

「なんだって?!腹ん中を覗くだって?男が女か分かったりしたら、世継ぎ問題も、女衒も大喜びさ」

かんざし婆は、 小鳥が運んできた鍋を受け取ると、囲炉裏の自在鈎に掛けた。

「全部では、無いけど 分かりますよ」

小鳥は、忙しなく土間へと戻った。

「へぇ〜便利な道具があるもんだ。それより、あんたに会わせたい奴が居るんだ。そのうち連れて来るよ」

かんざし婆は、未来のお産について興味を持ちまるで御伽噺を聞く子供の様な顔をして月の話を聞いていた。
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