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二兎を追って落ちた穴
第1章 今彼レン
試合の後、ちょうど彼がベンチに座って細い肩を上下させているときに声をかけたので、小柄かな、と思いきやそうでもないんですね。ヒョロっと立ち上がると、私の目線の高さに彼の唇がありました。小首をかしげるようにして覗き込み、まずはお友達から――冗談のようにスムーズでした。

ちょうどいい身長、荒い吐息、それにユニフォームに含んだ汗の香りを間近で浴びせられました。その夜には喜びと、それからいやらしい気分も手伝って――何しろ久々の男性でしたから――何の関係も築いていないのにはしたないと思いつつ、とても耐えられなくて布団を噛むようにして過ごしました。この時はまだ、仲を深めるための時間がこれほど短いとは思っておらず、憧ればかり膨らんだものです。

しかしどんな人間にも問題が――いえ、レンではなく私にも原因があるのでしょうけど、いつか体を委ねたい気持ちが叶うことはありませんでした。

旅行の宿泊先はいつもビジネスホテル、彼は当たり前のように予約していました。家デートの時ですら、彼の部屋でも私はなぜか職場の愚痴ばかりこぼし、慰めのようなスローなキスを受けました。初めは焦らしだと期待しました。彼は私の体を掬い上げるようにしてベッドに運び、そして抱き……言葉通り「抱く」だけで、そして悶々とする私より早く、眠りに落ちるようでした。いっそ私から求めるべきなのでしょうけど、ひどく勇気のいることでした。いつも私は、彼の体温と腕と、香り――出会いの時よりも遥かに薄まった彼の香りに雁字搦めにされ、といって自分で自分をどうにかするわけにもいかず、いつの間にか不埒な夢に墜ちました。悔しいことに、いつもレンは現れません。ただの観念的な男性に、思うさま弄ばれて悦ぶ私がいました。最高潮に達すると、ただの生理反応だけでなく狂喜に満ち溢れて中が収縮し、腰が浮き――汗びっしょりで目を覚ましました。一人でいることに気付いてショーツを確かめると、印が残っています。そしてレンがニコニコしながら、こなれた朝食をプレートに乗せて運んでくるのです。もう消えてしまいたくなります。この清潔な部屋で乱れるのは私だけで、彼に会うたび、いやらしい証拠がベッドに移ってゆく。レンはその中でどんな夢を見るのか……。

男性に求められて困った経験は、過去に何度かありました。レンとの関係は、それに従わなかった罰にも思えました。
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