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想いのカタチ
第1章 伝えてあげたい言葉
「時間あるなら少しいいかな?」

突然だけど誘いをかけてみる。
お酒に誘ってもいいのか少し悩む。
2人っきりというのが僕を躊躇させる。

「今日はこのまま帰れるから大丈夫だよ。飲みにでも行く?」

「…そうだね。あまりこの辺詳しくないんだけど…文香の行きつけの店とかあったりする?」

何気ない一言に文香の表情が曇り、少し困った顔をして笑う。
その顔が何を意味するのか僕には分からない。
困らせることは言ってないとは思うけど…

「…行きつけのお店は…ないかな?」

戸惑った言葉に何かが引っ掛かる。
だけどここで聞くことではないと判断した。

「だったら、適当に歩きながら決める?」

「うん。それがいいかな」


歩きながら店を探す。
探しながらお互いの近況を報告したりした。
文香の近況はある程度知っていたが、それは知らないふり。
まだ僕たちの仲を公にできないから、今は知らないふりが一番良い。
話が盛り上がり一向に店が決まらない。
ただ話しながら歩くのもいいかなと夕方の人がごった返す中を2人で歩く。
前から数人の学生が横並びで歩いてくるのを見て僕は文香の腰に腕を回し自分の方に引き寄せる。
学生たちは僕たちを器用に避けていった。
彼らが通り過ぎても僕は腰を抱いたまま。
文香も少し戸惑ってはいたが僕の腕を振りほどこうとはしない。
かなり接近した距離で歩いていた。
周りから見たら、恋人同士に見えるぐらいに。
途中で文香の手の荷物を僕が持つと『ありがとう』と可愛く微笑んでくれる。
この笑顔をずっと守りたいと願った時もあった。
だけど今はもっと大切にしたい人ができた。
僕たちが幸せになれるように文香にも幸せになって欲しかった。
赤信号で足を止めた。
少し前かがみになって文香の顔を覗き込む。
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