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想いのカタチ
第4章 きっと、あなたは私を好きになる
何度せっついても動かなかった則孝。
そんな二人を見ていると則孝に近づく人影が見える。
すぐに慶介だとわかった。
慶介は則孝を連れて校舎裏に移動する。
私は慌てて二人のいる場所に走った。
物陰から覗いてみると倒れ込んでいる則孝の姿があった。
慶介が何かを言っている。
だけど声が届かず何を言っているか分からない。
ぎりぎりまで近づいて二人の会話を聞く。
その内容がばかばかしくて…それでも彼らしいと思った。
優しい彼は最後まで文香の為に動く。

だったら??
彼自身の幸せはどこにあるのか?
そう思うと伝えられずにはいられなかった。

則孝が姿を消したのを見計らって彼の目の前に出る。

「本当にお人よしすぎるわよ」

涙も拭かずにただそこにいる彼を愛おしく思う。

「なんで男ってこうも面倒なのかしらね。見てて歯痒くてしょうがないんだけど?好きなのに相手の事を思って身を引くなんて悲劇のヒロインのつもりなのかしらね。相手を思って…それは自己満足でしかないことを自覚するべきだわ」

無視する気だと感じた私は彼の横に腰を下ろす。
それと同時に彼は私から逃げようとした。
そうはさせない。
たぶん、今がその時だから。
彼が私を好きになる第一歩だから。
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