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想いのカタチ
第6章 幸せの連鎖
何杯目かのビールを飲んでいると、やっと則孝が現れた。

「わり~…今日も遅くなった」

席に付くと、なぜかビールを2杯を頼んだ。
不思議な顔をしていると、何も言わずに私のビールに手を伸ばし喉に流し込んでいった。

「あ~…私のビール。なんで飲むのよ」

「いいじゃん、減るもんじゃないし」

「減ってるし!!」

今日の趣旨を忘れて則孝に食って掛かった。

「怒るなって。そのために2杯頼んだんだから」

ちょうど店員が2杯運んできたビールを一つ私の前に置いた。

「則孝の馬鹿たれっ」

悪態をつきながら、ビールに手を付けた。

「お前ら、相変わらずだなぁ」

「本当!相変わらず仲良しよね」

「見てる、こっちが恥ずかしいわ」

とそれぞれが私たち2人のやり取りを面白そうに見て言う。

「どこが仲良しよ。これは死活問題よ!!」

と怒れば則孝は笑いながら子ども扱いする。

「はいはい。ビールさえ飲んでれば大人しいからね」

その言葉にカチンとくる。

「むかつくぅ~」

則孝の胸を叩こうと手を振り上げたら、その腕を取られて羽交い絞めてされた。
恥ずかしいのと、離してほしいのとで則孝の腕の中で暴れる。
暴れても、則孝の腕はびくともしなかった。

「俺さっ…彼女できた」

一言、何の前触れもなく告げる。
余りにもあっさりとしすぎていて、暴れていた私は動きが止まってしまった。
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