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第6章 幸せの連鎖

店のドアが開いて、みんなの目線が入り口に集中する。
だけど、そこに現れたのは私の知ってる人だった…

「慶介」

私は彼の名前を呼んで慶介の元に駆け寄った。

「びっくりした～。慶介も今日は飲み会？？同じ店で飲み会なんてすごいね」

なんて、何も知らない私はただの偶然だと思い久しぶりの再会に喜んでいた。
うれしさの余り、私たちのテーブルに連れて行き紹介した。

「高校の時の友達なの。」

「どうも」

慶介を知っている則孝が愛想もなく挨拶をした。
ここでやっと、やばいかなと思った。
昔の彼氏を紹介するのってルール違反だよね。と。

「始めまして、中里慶介といいます。」

則孝の態度は気にせずに他のメンバーに挨拶してくれた。

「どーも。でも、すげー偶然だな」

「偶然じゃないですよ」

一馬の一言に慶介がさらっと答えた。
偶然じゃない？？
その意味が私には分からなかった。

「あっ。ビールもう一杯ね。至急持ってきて」

「まだ残ってるじゃない。則孝お酒弱いんだから」

「俺が飲むわけじゃないから、いいの」

私の頭をポンポンと叩いて、にやりと笑った。
その笑顔が何なのか私には分からなかった。