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想いのカタチ
第7章 幸せのバトン
───…
暖簾がかかってない『彩り』のドアを開ける。
準備前で悪いと思ったけど、文香と鉢合わせだけは避けたくてこのタイミングになってしまった。
「ごめんなさいね…まだ開店前なんですよ」
女将さんかな?
上品で優しそうな女性が申し訳なさそうに伝える。
「忙しい時間帯に申し訳ありません…ちょっとお願いがあってきました。少しお時間いいでしょうか?」
女将さんとカウンター内にいる男性は顔を見合わせ、女将さんがカウンター席の椅子を進めてくれた。
「あんちゃん、ごめんなぁ。手を動かしながらでいいかい?」
「もちろんです。こんな急がし時間にきた僕が悪いんですから」
大将は手を休めることなく僕の話を聞いてくれた。
自分のこと、文香と篠宮のことを全て話して、お願いしたいことを告げると喜んで協力してくれことになった。
その日から2週間たった頃に大将から電話があった。
来月の3日だったら文香が社員旅行でいないとのこと。
その日に篠宮と2人で会うことが決まった。