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想いのカタチ
第8章 最上な時
私も慌てて会社を後にして、駅近くの呉服店に飛び込んだ。

「遅くなってもうしわけありません」

「おつかれさま。時間通りだから大丈夫よ。時間もないから着付けましょうか」

「はい」と返事をしながら奥の部屋に連れて行かれた。
そこには先日買ったばかりの浴衣が下がっていた。
赤生地に鈴蘭柄が、やっぱりかわいい。
一目見て気に入って迷わずに買ってしまった。
買えば、当日着付けもしてくれるということも買った決め手の一つだった。
ゆかたの着付けはできるけど、着付ける場所がないのでとても助かった。
今日は会社の近くである花火大会に則孝と行くことになっている。
タイミングが合わなくてなかなか一緒にいけなかった。
行くなら絶対にゆかただと思っていたから、この店を見つけたときはうれしかった。
店員さんは慣れた手つきで着せてくれた。
髪も軽くアップしてくれて、いつもと違う私が鏡の中にいた。
則孝はどう反応してくれるだろう。
驚くかな?びっくりするかな?惚れ直してくれるかな?
なんて思いながら待ち合わせ場所の駅に行く。
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