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想いのカタチ
第10章 母親の想い
「ふふふっ。そうね。あの時から則孝は文香ちゃんの事好きだったわよね」
「なっ…何言ってんだよ」
思い出していることを言葉にされて俺は焦って大きな声で遮った。
だけど、母さんの言葉は文香の耳に届いたようで、俺の服を引っ張って『本当?』などと聞いてくる。
「あらっ。ごまかしてもダメよ。お母さん知ってるんだから」
勝ち誇ったような顔をしてうれしそうに笑っていた。
「それより…話の続き」
「あらっ照れちゃって…まぁいいわ。」
フフフッと意味深に笑いながら話を始めた。
「父親が亡くなって女手一つで育てるって大変で、片親だからって馬鹿にされないように必死だった。夜も遅くまで仕事して…則孝には寂しい思いもたくさんさせたと思う。それでも食事の準備をしてくれたり掃除洗濯…私が手が回らないことは率先してやってくれてたの。離れて暮らしていた時も何かにつけては連絡くれて、顔を見せてくれて……ずっと私の子供だと思ってたんだけどね…改めて結婚したいって言われたら、私の手から離れていくんだなって思うと寂しいやらうれしいやらいろいろな感情が沸き起こってね。文香ちゃんも子供が出来て、結婚相手を連れてきた時には、おばさんの気持ち理解できるわ。きっとね」
「なっ…何言ってんだよ」
思い出していることを言葉にされて俺は焦って大きな声で遮った。
だけど、母さんの言葉は文香の耳に届いたようで、俺の服を引っ張って『本当?』などと聞いてくる。
「あらっ。ごまかしてもダメよ。お母さん知ってるんだから」
勝ち誇ったような顔をしてうれしそうに笑っていた。
「それより…話の続き」
「あらっ照れちゃって…まぁいいわ。」
フフフッと意味深に笑いながら話を始めた。
「父親が亡くなって女手一つで育てるって大変で、片親だからって馬鹿にされないように必死だった。夜も遅くまで仕事して…則孝には寂しい思いもたくさんさせたと思う。それでも食事の準備をしてくれたり掃除洗濯…私が手が回らないことは率先してやってくれてたの。離れて暮らしていた時も何かにつけては連絡くれて、顔を見せてくれて……ずっと私の子供だと思ってたんだけどね…改めて結婚したいって言われたら、私の手から離れていくんだなって思うと寂しいやらうれしいやらいろいろな感情が沸き起こってね。文香ちゃんも子供が出来て、結婚相手を連れてきた時には、おばさんの気持ち理解できるわ。きっとね」