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Snake and Sun --- 蛇と太陽
第2章 穏やかな日々と不穏
「ねぇ、来月のパーティー、貴方も来るわよね?」
「あぁ、シュミット伯爵のパーティー?もちろん出席しますよ」
「良かった!じゃあいっぱいおめかししていかなきゃ!」

ソラは手を叩いて嬉しそうに笑った。
これまでは近衛兵という立場であったルークも、騎士団団長ともなれば社交界に呼ばれるようにもなる。社交場はあまり得意な場所ではなかったが、ソラがいるとなればきっと楽しいパーティーになるだろう。

2人で談笑していると、不意にソラがぐいとルークに近付いた。ルークはどきっと驚いて、思わず彼女の二の腕を軽く掴んでいた。


「……2人の時は敬語もなしで、呼び捨てでいいって何回言えば分かるのよ」

不貞腐れたような、拗ねたような表情でソラはルークを睨む。
恋人になって3ヵ月が経とうとしているのだが、ルークはいまだにいつもの癖が抜けきっていなかった。やはりソラは王位継承者という尊い身分の姫であって、軽々しく名前を呼び捨てにするのは、職業病というか、中々踏み出せない案件であった。


「ごめん、つい……」
「キスしたら許してあげる」

ソラは悪戯っぽく笑って目を閉じる。
ルークは思わず顔を真っ赤にして、早鐘を打つ心臓の音を悟られまいと息を呑んだ。

こうやってソラは悪戯を仕掛けるのが好きだ。
ルークが困るのを分かってて悪戯するのである。

誰が通るかも分からない廊下でキスするのははばかれたが、愛しい女性が目の前で目を閉じて唇が降りてくるのを待っているのだ。東洋の国では「据え膳食わぬは男の恥」という言葉もあるし、ルークはゆっくりとソラの頬に手を添えた。


ドキドキとした甘い空間がつくり出されようとした瞬間、コツコツと革靴の音が聞こえて2人ははっとして離れた。ソラがやってきた方の廊下から、墨を塗りつぶしたかのような黒髪の長身の男が歩いてきた。

ソラは振り返ってその男に視線をやると、複雑な表情をした。

その男はこの国の宰相、アレクセイ・フォン・ヴェルドールであった。
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