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輪廻
第2章 2XXX年4月1日
御幸が見ている映像をタップしてジャックを選ぶ、そして両方向通信と選択した。

これで親父が受けた御幸の感触、五感の蓄積データから、御幸がゲームでチョイスした行動による五感を俺はバーチャルで体感する。

これがあれば性産業は衰退すると、『空白の時代』前の人々は危惧したが、実際にその通りとなった。

ある意味、不特定多数との交渉が減り、衛生的だと思う。

『シャワー浴びるか?』

扉を開けたまま立ち尽くしている御幸に声を掛けると御幸はコクリと頷いた。

ベッドに横たわる御幸も実際に頷くが、同時にゲーム内の御幸も頷く。

ゲームを映したモニター画面は御幸視点、俺視点、第三者視点と3分割され、
もう1つの画面は寝室に設置した現実の御幸を映しているわけだ。

俺は、くるくると廻る椅子に腰掛けて画面を見ているが、御幸は手足を動かしている。

別に思考するだけでゲームは進行するのだが、ヘッドギア利用者にはこの傾向が多い。

『バスタオル取りな、濡れるよ。』

しおらしくしていた御幸がバスタオルを外す。
同じバーチャルなのに、親父にリンクして御幸を見るより艶かしく思った。
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