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甘えた
第6章 06
材料を一通りかごに入れると莉壱がスイーツコーナーに向かった。

「これ、ぴーちゃんの好きなプリン」

かごに3つ入れる。

「ぴーちゃん家のそばの洋菓子屋さんがこのスーパーにプリンとシュークリームを卸しててさ、ぴーちゃんその店のプリンしか食べないの」

「へぇーそうなんだ……莉壱は友達思いなんだね」

楽しそうにぴーちゃんの話をする姿は意外な一面だった。

部屋に帰るとぴーちゃんは宿題をしていた。

うわぉ!猟奇的な人がお勉強してるなんてっ。

チキンライスを作り終えると、莉壱とバトンタッチして器に盛り付ける。

横でトン、トン、トンと昨日の要領で綺麗に丸めている。

一皿目が出来あがるとすぐにぴーちゃんの席に運ぶ。

「あー俺がやるー」

シェフ自らオムレツに切れ目を入れたいんですね……

きれいな半熟のふわっふわな卵が広がるとぴーちゃんが目を見開いて莉壱に向かってコクコクコクと何度も頷いている。
莉壱も嬉しそうに笑っている。

危ない人達かと思っていたけど、こうやって見ると普通の少年たちだった。
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