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甘えた
第6章 06
「都羽ー、卵が足りないー」
莉壱のオムライスをテーブルに運ぶとキッチンから騒ぐ声に呼ばれた。
「卵は全部使っちゃったよ?」
ボールの中を覗くと卵1個分くらいの液しか残っていなかった。
秀才で器用な人だと感心してたけど、配分がきちんと出来ない人だってことが分かった。
「いいよ、あたしちっちゃいオムレツで…」
卵焼きというおかずの付いたチキンライスを食べながら二人を眺めていた。
二人はテーブルに置いたスマホを操作しながら莉壱だけが楽しそうに話している。
ぴーちゃんは頷くだけ、全然しゃべらない。
会話の感じだとぴーちゃんからの問い掛けもあるみたいなんだけど…ひょっとしてぴーちゃんは莉壱の脳内に直接語りかけているとか?エスパー?地球外生物かっ?
あたしの不審そうな顔に気が付いた莉壱がギロッと睨む。
「どしたの?」
「何を話してるのかな?って…」
「あーこれ」
スマホを二人の間に置き直して画面を見せてくれた。ぴーちゃんからのメッセージが並んでいた。
「ぴーちゃん小学生の時、喉やられて声が出せなくなったんだよ」
「あ、そうなんだ」
ぴーちゃんがコクコクと頷く。