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甘えた
第7章 07
俯いて正座をしたまま動くことの出来ないあたしを見降ろし

「くすっ。じゃあオムライス作ろっか?」

楽しそうにソファーから降りた。

「……昨日、多めに炊いたから冷凍ご飯があるよ…」


掛け算を間違えただけなのに…なんでこーなった!

疼きを奥歯で噛み殺して、キッチンに向かう。




「炒めるだけだからチキンライスも作ってみる?」

「やだ。都羽が作って」

また、あたしか…チキンライスも覚えたら、全部自分で作れるようになるのに。

「簡単だよ?莉壱なら楽勝だよ」

「そんなこと言って、俺に全部やらせようとしてるだろ?」

…………してるよ。

冷凍ご飯を温めるためレンジのパネルを操作しながらさりげなく…

「別に。ただ莉壱が一から作ったオムライスが食べたいなぁって」

更にさりげなく、玉ねぎをカットしようと包丁を握った。

「莉壱が作ったチキンライスはおいしいだろうなぁ…」

微かに聞こえる程度の独り言。

「俺がやる」

よしっ!かかった。ちょろいね。
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