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甘えた
第7章 07
お皿を用意していると、顔の前に味見用のスプーンが向けられる。

「都羽、味見して?」

莉壱の手の上からスプーンを掴み、口へと運んだ。
ケチャップ薄めだけど、塩でしっかり味付けされたチキンライスは美味しかった。

思わず、ふふって笑いが零れた。


「どお?」

「うん。おいしい。莉壱、オムライス屋さんになれるよ」

「ふっ、ならないよ」




今日もひとくち毎に『おいしい』って呟いた。

「都羽」

味見の時みたいに、オムライスの乗ったスプーンを口元に近づけてくる。

「自分の分があるよ?」

あたしが自分のお皿から掬ったオムライスを口に入れると、莉壱は諦めてスプーンを自分の口に運ぶ。
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