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甘えた
第8章 08
あまり背の高くないぴーちゃんよりも彼女はちっちゃかった。

あたしは顔を赤らめ、手で口を押さえた。

「すごい、お似合い…」

《隣の家に住んでる幼馴染なんだよ》

あたしが読み終わると消してさらに書き込む。

《彼女はピアニストを目指してて いつもピアノを弾く姿を部屋から見てるんだ》

ピアニストか…目に宿る頑強さに納得した。女王様気質もなんとなく分かった。
もう返す言葉がなく、ふふふっと照れ笑いをするしかなかった。


ぴーちゃんの彼女はちょっと結愛花に似ていた。やっぱり男の子はこういう小さくてお人形さんみたいな可愛い子が好きなんだろうな…ふふっ。
あたしもぴーちゃんの気持ちわかるよ、うんうん。しばらく一人でニヤニヤしっぱなしだった。


「さっきから何赤い顔してんの?」

冷たい目つきの莉壱に水を差される。

「ぴーちゃんの彼女可愛いねぇ…二人とも幸せそうでいいなぁって…」

タコ焼きを手際よく返しているぴーちゃんを微笑みながらぼんやりと眺めた。

背が高いあたしは背の低い子に憧れる。もう少し身長が低かったらあたしだって可愛く恋愛が出来たかもしれないなぁ。
あたしは冷めてしまったタコ焼きに手を伸ばした。
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