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甘えた
第8章 08
3回焼いてタコ焼きパーティーは終了、これから塾だというぴーちゃんは一足先に帰った。


「あたしもこれ片付けたら帰るね」

「えー?俺、3日間我慢したのに?」

まだ言うかっ。

段々とその台詞…他の人が聞いたら勘違しそうな台詞に思えてきた…まるであたしが禁欲させたみたいなー。
それはないっ!そんな意味で言ったわけじゃないし、そもそも禁欲って言う程せっせと行為に勤しんでた関係じゃないし。頭を振ってあらぬ思考を振り払った。


食器を洗い、片付けていると莉壱がキッチンに姿を現した。あたしの背後からおなかに手を廻し、顔を肩口に埋める。
右へ動いても左へ移動しても、しゃがんでも背後にべったりくっついたまま。背後霊の様に。


タコ焼き機をバッグに納め背後の莉壱に声を掛ける。

「ねぇ莉壱?タコ焼き機置いてってもいい?」

「いいけど?」

「次はホットケーキの素でベビーカステラ作ろうよ」

「んーいいけど」


全然乗り気じゃないねぇ。今日の莉壱は子供みたい。熱烈歓迎したり、機嫌悪かったり、甘えたり…起伏が激しい。
『3日間我慢した』って何度も何度もうるさいし。そりゃね、あたしがそうお願いしたんだけど…試験があったんですよ。
仕方ないでしょ?
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