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甘えた
第9章 09
会計をしている莉壱のそばで鍵とバッグをチャームで繋げる。
「ふふっ、ふわふわ」
こっそりと頬に撫でつけていたファーを横からひょいっと取り上げられる、会計の終わった莉壱が、チェーンをたぐり寄せ、バッグから鍵を引っ張り出した。
「俺ん家の鍵だから」
そう言って鍵にもう一つ、ピンクのファーチャームを取り付ける。
「ふ・わ・ふ・わ」
低めの声で挑むような目つきをして、呆気に取られるあたしの頬をピンクのファーで撫でた。それは……外すなよってことでよろしいでしょうか?
予約の時間になると、スムーズにエレベーターで運ばれ、団体の観光客や家族連れなどの姿で賑わう展望デッキに到着した。
窓際に群がる人垣の空いたスペースに陣取り、眼下を眺めやる。
「すごーい!ちっちゃーい。遠くまで見えるっ」
興奮が止まらなくなって一人ではしゃぎ出す。
「隅田川!あれあれ!ドーム!」
指をさしながらいちいち莉壱に報告すると背後でクスクスと笑っている。
「ようこそ、東京へ。くすっ」
「あたしも都民なんだけど?だって上から見たことないんだもん。いいでしょっ。あっち行こ」
人だかりの隙間を見つけては窓際からの眺望を楽しんだ。
「ふふっ、ふわふわ」
こっそりと頬に撫でつけていたファーを横からひょいっと取り上げられる、会計の終わった莉壱が、チェーンをたぐり寄せ、バッグから鍵を引っ張り出した。
「俺ん家の鍵だから」
そう言って鍵にもう一つ、ピンクのファーチャームを取り付ける。
「ふ・わ・ふ・わ」
低めの声で挑むような目つきをして、呆気に取られるあたしの頬をピンクのファーで撫でた。それは……外すなよってことでよろしいでしょうか?
予約の時間になると、スムーズにエレベーターで運ばれ、団体の観光客や家族連れなどの姿で賑わう展望デッキに到着した。
窓際に群がる人垣の空いたスペースに陣取り、眼下を眺めやる。
「すごーい!ちっちゃーい。遠くまで見えるっ」
興奮が止まらなくなって一人ではしゃぎ出す。
「隅田川!あれあれ!ドーム!」
指をさしながらいちいち莉壱に報告すると背後でクスクスと笑っている。
「ようこそ、東京へ。くすっ」
「あたしも都民なんだけど?だって上から見たことないんだもん。いいでしょっ。あっち行こ」
人だかりの隙間を見つけては窓際からの眺望を楽しんだ。