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甘えた
第9章 09
「都羽、こっちだって」
案内パンフレットを握りしめた莉壱に促され辿り着いた先は……
「こっちだよ」
ニヤリと笑って数歩先から振り返る。
「行けない。無理っ。下見れないっ」
莉壱の足元にはガラス張りの床があった。
「なんだよ、都羽、かーわい。じゃ戻ろ?」
後ろから抱きとめられ、来た道の方へ向きを変えられる。
「待って、記念に一歩だけ。莉壱、手!」
両手を繋いでもらうと後ろ向きでガラスの床にそろそろと乗った…目を瞑ったまま。
「乗ってる?」
「うん。いいよ、目を開けて」
下を向いてうっすらと目を開け、ぼやけた視界で恐怖心を慣らす。
そして奥歯を噛み締め、覚悟を決めて目を見開いた。
遥か遠く地上のミニチュアの街並みに、落下しちゃいそうな錯覚で体が揺れた。
安全だって分かってるけど恐怖で口が踏ん張ってイーッて歪む。その顔のまま莉壱に向かって首を小さく左右に振る。
案内パンフレットを握りしめた莉壱に促され辿り着いた先は……
「こっちだよ」
ニヤリと笑って数歩先から振り返る。
「行けない。無理っ。下見れないっ」
莉壱の足元にはガラス張りの床があった。
「なんだよ、都羽、かーわい。じゃ戻ろ?」
後ろから抱きとめられ、来た道の方へ向きを変えられる。
「待って、記念に一歩だけ。莉壱、手!」
両手を繋いでもらうと後ろ向きでガラスの床にそろそろと乗った…目を瞑ったまま。
「乗ってる?」
「うん。いいよ、目を開けて」
下を向いてうっすらと目を開け、ぼやけた視界で恐怖心を慣らす。
そして奥歯を噛み締め、覚悟を決めて目を見開いた。
遥か遠く地上のミニチュアの街並みに、落下しちゃいそうな錯覚で体が揺れた。
安全だって分かってるけど恐怖で口が踏ん張ってイーッて歪む。その顔のまま莉壱に向かって首を小さく左右に振る。