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甘えた
第9章 09
「ぶっ、おもしろい顔」
バカにされても恥ずかしくないほど、この状況は危機だった。固まって動けない……
引き寄せようとしてくれた莉壱にぐいっと腕を引っ張られる。
「うわっ…」
それでもなお足がガラス床に接着されたようにぴったりとくっ付いて、腰の引けた体勢になってしまった。
地上300メートル越えの床の消えたこの場所で、他の観光客も恐怖でテンションを上げている。その人達からすら心配の視線を向けられる程、あたしの姿勢はへっぴり腰でビビリマンだった。
上体が傾いたあたしを支えるために手を離そうとする莉壱。
「離さないで…」
「可愛いこと言うんだね?」
「莉…壱ぃ」
可愛い子ぶってるんじゃなくて、ガチなのっ。高所恐怖症の人間がこんなに高いところから下を見下ろしてしまったら動けなくなるって!情けないけど、繋がれた莉壱の手だけが頼りなの。
「くすっ。分かった」
莉壱は手を繋いだままあたしの腰に手を廻して、上体を元に戻すと、
唇を重ね、
舌を入れてきた。
「んっ!」
その瞬間、腰を引かれガラスの床じゃない普通の床に助け出された。
「大丈夫?」
「うん…ありがと」
バカにされても恥ずかしくないほど、この状況は危機だった。固まって動けない……
引き寄せようとしてくれた莉壱にぐいっと腕を引っ張られる。
「うわっ…」
それでもなお足がガラス床に接着されたようにぴったりとくっ付いて、腰の引けた体勢になってしまった。
地上300メートル越えの床の消えたこの場所で、他の観光客も恐怖でテンションを上げている。その人達からすら心配の視線を向けられる程、あたしの姿勢はへっぴり腰でビビリマンだった。
上体が傾いたあたしを支えるために手を離そうとする莉壱。
「離さないで…」
「可愛いこと言うんだね?」
「莉…壱ぃ」
可愛い子ぶってるんじゃなくて、ガチなのっ。高所恐怖症の人間がこんなに高いところから下を見下ろしてしまったら動けなくなるって!情けないけど、繋がれた莉壱の手だけが頼りなの。
「くすっ。分かった」
莉壱は手を繋いだままあたしの腰に手を廻して、上体を元に戻すと、
唇を重ね、
舌を入れてきた。
「んっ!」
その瞬間、腰を引かれガラスの床じゃない普通の床に助け出された。
「大丈夫?」
「うん…ありがと」