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甘えた
第10章 10
莉壱の部屋に向かう電車の中であたしは方針を立て直していた。
カレカノで繋ぎとめるんじゃ無く、長谷川くんに対するわだかまりを溶かすことを考えてあげた方がいいような気がする。
敵意が無くなれば結愛花に危害が及ぶことも無くなる。
問題はどうやって話を切り出すかだよなぁ…あまり刺激しすぎて結愛花に手を出されでもしたら……
莉壱は頭キレッキレだからなぁ、へたなこと言うとすぐバレちゃうし、あげくの果てに子供みたいになるからね。
同じ策士でも長谷川くんは話をしていても安心できた。あれが包容力という愛の力なんだろう。
結愛花や光政、側近メンバーだけでなく学校の生徒たちにも慕われてるのがよく分かる。女じゃなくてもあれは惚れるわ。
チャイムを鳴らして勢いよく玄関ドアを開けた。
「莉壱ー来たよー」
「んー」
廊下の奥から返事が聞こえる。
駅前で配られていたうちわでパタパタと風を引き寄せながら廊下を歩く。莉壱はいつもの場所ではなく、冷蔵庫の前で麦茶を飲んでいた。
「今日も暑いね~」
ろくに届きもしない風を莉壱に扇ぎ向けた。
カレカノで繋ぎとめるんじゃ無く、長谷川くんに対するわだかまりを溶かすことを考えてあげた方がいいような気がする。
敵意が無くなれば結愛花に危害が及ぶことも無くなる。
問題はどうやって話を切り出すかだよなぁ…あまり刺激しすぎて結愛花に手を出されでもしたら……
莉壱は頭キレッキレだからなぁ、へたなこと言うとすぐバレちゃうし、あげくの果てに子供みたいになるからね。
同じ策士でも長谷川くんは話をしていても安心できた。あれが包容力という愛の力なんだろう。
結愛花や光政、側近メンバーだけでなく学校の生徒たちにも慕われてるのがよく分かる。女じゃなくてもあれは惚れるわ。
チャイムを鳴らして勢いよく玄関ドアを開けた。
「莉壱ー来たよー」
「んー」
廊下の奥から返事が聞こえる。
駅前で配られていたうちわでパタパタと風を引き寄せながら廊下を歩く。莉壱はいつもの場所ではなく、冷蔵庫の前で麦茶を飲んでいた。
「今日も暑いね~」
ろくに届きもしない風を莉壱に扇ぎ向けた。