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甘えた
第10章 10
即答出来ないあたしの代わりに言葉を続ける。

「質問を変える。どーして涙が出たの?」

ん?質問内容変わった?意味は同じだよね?

「あたしにも分かんなくって…だからね、友達に相談したの。そしたら、それは嬉し泣きだって言われた」

「ふーん」

嬉し泣きなんだから良い意味で捉えて欲しいのに、なんだか納得してなさそう。

片肘をついてあたしの方に向き直る。冷めた表情で尋問が開始された。

「デートが嬉しかったの?」

嬉しかった、よね?…ニセモノのカレカノなのに心の底から楽しんじゃったし。

「うん」

「都羽」

莉壱があたしの顔をじーっと見つめる。

あたしは莉壱の次の言葉を待った。

「嬉し泣きには見えなかったけど…?デートの相手は俺じゃない人が良かったとか?」
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