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甘えた
第11章 11
難なくカレールーと交換してもらい店を後にする。

スーパーの目の前に設置された横断歩道で信号待ちをしながら、莉壱の部屋があるビルを見上げた。
12階だから…と下から順に目で追っているうちに信号が青に変わる。

広い道路を渡り切った先の歩道を右方向に進むと数軒先にビルのエントランスが見える。
ビルの手前に伸びる横道を通りかかった時、見知らぬ男に声を掛けられた。

ウルフヘアーで前髪を立ち上げシルバーのアクセを付けていて、ちょいマッチョな体つきはどこかのダンサーのような出で立ち。

やっぱ、都心の人はオシャレだねー。光政もツンツンヘアーじゃなくてこの人みたいにきちんとセットすればいいのに…なんて思いながらダンサー男の前を通り過ぎた。

「ちょ…聞こえてんの?」

肩を掴まれた。無言でダンサー男を見やる。

「キミ、莉壱の女だよね?」

馴れ馴れしく肩を抱き、横道に連れて行かれる。

歳は20くらいか?学校の友達じゃなさそう…ひょっとして、莉壱が持ってるらしいチームのお仲間?あたしは莉壱の名前を出したダンサー男に興味が沸いた。

「ちょっとさー話あんだよねーちょっと付き合ってくんない?」
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