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甘えた
第11章 11
横道をずんずん歩き進めるダンサー男にカマをかけてみる。

「莉壱って誰?」

「やだなー自分の彼氏忘れちゃったのー?」

少しは下調べしてあるっぽい。どこかで見ていたのか?

「アンタ…」

「なーに?」

「ダンス踊れるの?」

「ひゃははっ。踊れるよ?」

「じゃあ、踊ってみせて」

「いいよ」


つま先を軸に膝を左右に開け閉めしたかと思うと、ターンをし脚を高く蹴り上げた、アスファルトの上を靴を引き摺らせ後ろ向きに移動する。

それはひょっとして…っ!

胸に左手を添え、右手で指差しのポーズ。

「アオッ!」

すごい、ちゃんと踊れるんだ…ダンサー男にパチパチパチと3回、拍手をして元の大通りに向かって歩き出した。
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