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甘えた
第11章 11
吹っ飛んだダンサー男はアスファルトに体を打ちつけてぐったりとしている、にも関わらず馬乗りになった莉壱は執拗に顔面を殴り出した。

体育祭の時、光政に対して笑いながら攻撃してた姿は遠くから見たけれど、間近で見ると笑顔どころじゃなく目を輝かせ恍惚とした表情。

アドレナリンがドバドバと吹き出しちゃってるのだろうか…


「莉壱っ!ストッープ!」

慌てて声を掛け、殴りつけている方と反対側の腕を掴んだ。

「なんで止めるの?コイツ都羽を襲ってただろ?」

「相手をよく見て。落ちてるよ?」

腹の上から莉壱を退かし、のびてるダンサー男の頬をぺちぺちと叩くと、すぐに意識を取り戻した。

「大丈夫?救急車呼ぼうか?」

「だ、大丈夫…すいま…せん…」

「頭打った?病院行った方がいいかも」

「ほんと、大丈夫っす」

むせ返りながら体を起こそうとする。

「少し横になってた方がいいよ」

胸に手を宛て押し戻し、地面に横にならせた。
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