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甘えた
第11章 11
改札を抜け莉壱の部屋に向かう途中、いきなり土砂降りの雨が降ってきた。
ゲリラ豪雨!!

一瞬にして濡れ鼠になったあたしは、スニーカーをぐじゅぐじゅと鳴らしながらエレベーターに乗り込んだ。

犬のように頭を振ると水気が跳ねる。

「っくしゅん」

あー鼻水が…


チャイムを鳴らしてドアを開け、

「莉壱ー?」

さすがにびしょ濡れの格好では勝手に上がれず、玄関先で莉壱を呼ぶ。
廊下の先にひょっこり顔を出した莉壱が濡れ鼠の姿を見て爆笑しやがった。

「タオル持ってくよ」

渡されたバスタオルで水気を払ったが制服に浸みこんだ雨はどうしようもなかった。

「くすっ、泳いで来たの?」

「そこで急に降られたのっ!」

「おいで」

洗面所のドアを開け手招きする。

「そっちが風呂」

洗面所を抜け奥に続くドアを開けると脱衣場と浴室があった。
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