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甘えた
第11章 11
「夕飯なーに?都羽が作ってくれたものなら何でもいーよ」

テーブルにおでこをつけて、くすぐったさに耐える。気を抜いたら変な声が漏れそう…
べったりと体を密着させられて、ヤバい…莉壱の体温が気持ちいいっ。

「じゃ、じゃ、生姜焼きでいい?」

「んー、いーよ。買ってくるもの教えて?」

しゃべりながら、首に息を吹きかけないで欲しい…

手探りでプリント用紙を引き寄せ、裏に豚肉の生姜焼きの材料を書く。

「これ、お願い。分からなかったらお店の人に聞くんだよ」

「くすっ、初めてのおつかいじゃないんだからさ」

何もしないって言ったのに、首にキスしてませんか?
莉壱はさっきスッキリしたんだから、もうあたしに触らないで…

「行ってくるから、都羽は、ハイッこれ1枚終わらせといてね」

「はい。いってらっしゃい」

するりと片足を抜いて椅子から立ち上がる。

「お、雨やんでる」

窓の外を確認してから機嫌良く買い物に出掛けて行った。 


わぁーヤバかった。甘えてくる温もりが心地よくて、どっぷりと浸かりたくなっちゃうところだった。
そうとう欲求不満です。
明後日、終業式の後、夕方から倉庫パーティーあるから行ってこよっかな。


後頭部の髪を掻きむしって莉壱の残触を振り払い、プリントに向かって集中する。
集中したけど、解けない問題が多くて焦った。
家に帰ってやり直すことにして新しいプリントに取りかかる。

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