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甘えた
第11章 11
「なんで帰るの?」

「え?ああ…ほら、まだ時間あるし」

「時間あるのに帰るの?」

「うんうん」

「いつも飯食ってから帰るのに?……ぴーちゃんとやりとりしてたから怒った?」

あ…ぴーちゃんだったのね。いやいや、例えぴーちゃんだったとしてもそんなの関係なく、今から彼女を呼べばいい。

一瞬動きを止めたあたしを図星だと勘違いした莉壱は嬉しそうに意地悪を言う。

「ヤキモチか?」

「ちーがーうよ」

「ふふっ。都羽がヤキモチ焼いた」

違うっ、ヤキモチじゃないってばっ。
腕をぎゅうぎゅうと巻き付け、首元に顔をすりすりと擦り寄せ、すっごい喜んでる…

「もう、今日はここでずっとこーしてる」


…こういうことされると、あたしのこと好きなんじゃないかって本気で錯覚しそうになる。

やめて欲しい…あたしを勘違いさせるのは…
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