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甘えた
第11章 11
「湿布どこにあるの?」

「ない」

「じゃあ、買ってくるよ。近くに薬局ある?」

「都羽がキスしてくれたら治る」

顔を横に向けた莉壱が目を瞑り、キスを求めて顎を上げた。
あーもう、完全にふざけてるよね?だったらあたしも…

「痛いの痛いの飛んでけぇ」

子供にしてあげるおまじないのように、おしりを撫でて、少し赤くなったところにちゅっと唇をあてた。

「ちょっ…!そんなとこにっ…!」

勢いよく体を起こした莉壱が、顔を真っ赤にしている。

「え?」

え?どした……?
ひょっとして照れてるの?!か、可愛い……

待て待て待てっ!そんな顔されたら、まるであたしがエロいことしたみたいで、恥ずかしいじゃないの。

「こ、氷取ってくるね」

いたたまれなくなったあたしはキッチンへ逃げようと、立ち上がりかける…

「都羽っ」

床へと押し戻すように莉壱がソファーの上から飛び付いて来た。

「……まだ帰さないよ」

肩に両腕を廻し首元に顔を埋め、縋りつく。
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