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甘えた
第12章 12
「あっ、ぴーちゃん。都羽にアレ見せていい?」

「ん?アレってなぁに?」

面白いものでも見せてくれるのかとワクワクしながらぴーちゃんを見ると、しかめっ面をして頭を左右に振っている。

「えーいいじゃん。よく撮れてたし」

莉壱がスマホを操作しだすと、ガタンッと音を立てぴーちゃんが立ち上がった。

「わーかったよ。見せないから…」

テーブルの上にスマホを伏せる。

はは…ぴーちゃんがものすごく嫌がる内容らしい。莉壱もこれ以上は嫌がらせになるって判断したんだろう、エライ!

内容は気になるけど、どーせくだらないことでしょ?こんなところで喧嘩しないでよね。

二人の様子を交互にうかがっていると、立ち上がっていたぴーちゃんが隣にきてスマホをグイッと差し出した。

「え?見ていいの?」

ぴーちゃんは赤らめた顔を背けている。

「ぴーちゃん、またお仕置き…」

莉壱のボソッと呟いた言葉に促されるように、ぴーちゃんの手からスマホを受け取り画面を表に返した。
 
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