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甘えた
第13章 13
合流した途端に二人の世界が始まっちゃったよ。

「何買ったんだ?」

結愛花の髪を撫でながらブラウスの入った紙袋をのぞき込もうとする長谷川くん。

「うふっ。えっとねぇ……」


って、もしもーし!あたしも居るんですけど?!

放置されること数分……あたしの存在にもやっと気が付いてくれた長谷川くん。

「久保。助かったよ、気を付けて帰れよ」

「とわちゃん、ありがとぉ」

「あ、うん…あの、長谷川くん…あたし、莉壱とちゃんと付き合うことにしたから」

一応、報告。結愛花を守るためのニセモノ任務だったけど、ニセモノって肩書が外れたことは言っておかなくては。

「そうか」

「えーっ?二人はお付き合いしてるんだよね?」

「そ、そうなんだけど…」

「何かあったの?私、聞いてないよぉ。それに莉壱くんはここに来ないの?」

さらっと受け流した長谷川くんと違って、結愛花が思いのほか食いついてくる。

「ふたりにも色々あるんだろ。結愛花、ケーキ食いに行くか?」

さすが長谷川くん!いい感じに助け船を出してくれる。
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