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甘えた
第13章 13
ホテルの一室に数人の大人に囲まれて、長谷川くんは血の気のない顔でソファーで項垂れている。
何事にも動じることなく常に堂々としている長谷川くんが精神的ダメージを受けている姿は衝撃的だ。
「久保…すまない…」
「結愛花は?」
「久保と別れてひと息ついた後、俺も結愛花もトイレに行ったんだ。いつまで経っても出て来ないから中を確認してもらったら…居なくなってた。ホテルのスタッフの話だと、どうやら見知らぬ女と一緒に走って外に出て行ったらしい…いつもならトイレの前で待ってたのに、くそっ!俺が油断した」
見知らぬ女?莉壱と女の繋がりなんて分からない…任務だったのに、あたしは今まで何をしてきたんだろう。莉壱に振り回されてのぼせ上ってただけじゃん……
その時、長谷川くんの携帯が鳴った。
その場にいる全員が息を潜め、耳を澄ませた。静まり返る室内でたった一言…
「すぐ行く」
食いしばった歯の隙間から色のない声を出した。
「莉壱からだ。久保、お前も一緒に来てくれ」
慌ただしくホテルの部屋から飛び出し、車に乗り込んだ。
「結愛花と一緒にいるの?」
「ああ、アイツの部屋に居る」
部屋?!まさか……お願いだから、結愛花に乱暴なことしないで…泣かすような真似はしないで……──
何事にも動じることなく常に堂々としている長谷川くんが精神的ダメージを受けている姿は衝撃的だ。
「久保…すまない…」
「結愛花は?」
「久保と別れてひと息ついた後、俺も結愛花もトイレに行ったんだ。いつまで経っても出て来ないから中を確認してもらったら…居なくなってた。ホテルのスタッフの話だと、どうやら見知らぬ女と一緒に走って外に出て行ったらしい…いつもならトイレの前で待ってたのに、くそっ!俺が油断した」
見知らぬ女?莉壱と女の繋がりなんて分からない…任務だったのに、あたしは今まで何をしてきたんだろう。莉壱に振り回されてのぼせ上ってただけじゃん……
その時、長谷川くんの携帯が鳴った。
その場にいる全員が息を潜め、耳を澄ませた。静まり返る室内でたった一言…
「すぐ行く」
食いしばった歯の隙間から色のない声を出した。
「莉壱からだ。久保、お前も一緒に来てくれ」
慌ただしくホテルの部屋から飛び出し、車に乗り込んだ。
「結愛花と一緒にいるの?」
「ああ、アイツの部屋に居る」
部屋?!まさか……お願いだから、結愛花に乱暴なことしないで…泣かすような真似はしないで……──