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甘えた
第13章 13
車線変更を繰り返し、他の車を抜き去りながら莉壱の部屋へと急いだ。

滑り込む様な勢いで地下駐車場に到着すると、あたしと長谷川くんと側近くんの3人でエレベーターで部屋の階まで上がる。

長谷川くんが玄関ドアのノブを乱暴に引いた。
ガコッという音が鍵の掛かっていることを知らせる。


「くそっ!おい!莉壱、開けろ!」

「どいて」

玄関ドアを叩こうとする長谷川くんを押し退け、合鍵で開錠する。

「久保…」

長谷川くんが一瞬驚いた表情を見せた。

「久保、俺の後から来い。お前はここで待機してろ」

「うん」

「わかりました」

あたしと側近くんに指示を出す。

通い慣れた莉壱の部屋に、長谷川くんの後について足を踏み入れた。
玄関には見覚えのある結愛花の靴。

怖い……無事でいて!

足が震え、進まなくなる。
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