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甘えた
第14章 長い一日
一人で笑いを浮かべるあたしをぴーちゃんが心配そうに見つめる。

ぴーちゃんがいつもの席に座って、手招きであたしを隣に呼んだ。

《都羽ちゃん大丈夫?ショックじゃない?》

「だいじょぶだよ。こーいうケガ人はうちの学校だとたまに見るし。莉壱にはいい薬になったんじゃないかな?」

莉壱を起こさないようヒソヒソ声で話す。

《すごく痛がってて ご飯も食べないし 痛み止めだけ飲んでずっと寝てる》

「そう…ずっと側に居てくれたの?」

《うわ言で都羽ちゃんのこと呼んでるよ》

「え?」

《どうしてすぐ来てくれなかったの?都羽ちゃん彼女さんでしょ?》

ぴーちゃんの前では付き合ってるように見えてたかもしれないけど、あたし達はニセモノのカレカノだったんだよ?あたしを落として面白がってることぴーちゃんは聞いてなかった?

「あは…違うと思うよ…?」

泣きそうになる顔を歪めながらも笑って答える。

ぴーちゃんは優しい笑顔で目を閉じながらコクコク頷くと、スマホを操作し上下にスライドする。

指を動かしながら、しばらく画面を見続けるぴーちゃん。何かを探しているらしい。
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