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甘えた
第14章 長い一日
無意識に人垣をかき分けて進んだ。

シルエットの人物が階段を下りてくる。

あの熱はもう感じない、目で追うしかない、絶対に見失うな!

周りに居た女の子たちが纏わりついて一緒に移動し始める。

フロアに下りた所でやっとシルエットの剥がれた姿を捉えた。

髪の長い女性、背が高く、大人っぽい?いや、あどけない表情をしてる、普通の子だ。

男に近寄って一言二言、言葉を交わした様子の後、連れ立って出口へと向かおうとする。

纏わりつく女の子たちに行く手を阻まれながらも近づき、その背に向かって声をかけた。

「ねぇ…」

呼び止めようと、なんとか言葉を発したが気にも留められなかった。

俺は茫然自失した。

信じられない…

俺は『おひさま』に恋をした。
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