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第14章 長い一日

「あれ？怒ってる？…俺、無理やり奪ったりしてないよ？ちょっと声かけて落としてアイツから引き離すだけだよ」

「怒ってるよ。結愛花を悪く言うのは許さない」

「あはっ、そっちか。悪くは言ってないよ、ただタイプじゃないってだけ。それに俺、都羽に出会って好きになってから、アイツのことなんてどーでもよくなっちゃったし」


今、好きって言ったよね？


上目遣いの眼差しで、会話の中にサラッと放り込んできたけど、確かに好きって言ったよね？
初めて好きって言われた…もう、もう、心臓が一瞬止まったよー！

莉壱の顔つきは段々とニヤリとした笑い顔に変わっていく…あたしの顔の熱さに比例して。

「あ、あのね、ぴーちゃんが一目惚れって言ってたんだけど…」

テンパって余計なことを聞いちゃうあたし。違う、違う、そんなことが聞きたいんじゃない。莉壱の口からちゃんとした言葉が欲しいの。

「もおー、ぴーちゃん、おしゃべりだなー」

片目を瞑って嫌そうな顔をする。

「す、好きって本気で言ってるの？」

「そうだよ」

「ね、ちゃんと言って」

「やーだ。…そのうちね？」

そう言ってまた、あたしのおなかにおでこを付ける。

莉壱の耳が赤い……本気で好かれてるって思っていいんだよね？

「スカート」

「ほえ？」

夢見心地なあたしは間抜けな返事をする。