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甘えた
第14章 長い一日
「あれ?脱がないの?」

湯船に浸かった莉壱が冗談めかす。

「その必要なーい。ほら、バスタブの縁に頭乗っけて」

ぴしゃりとはねのけ、シャワーヘッドを持って髪を濡らす。

「顔にかかっちゃうね、ちょっと待ってて」

バスタオルを持ち込んで、顔の上に置いた。

「あっははっ、シャンプーが泡立たない~」

何かモゴモゴ返事をしているがバスタオルの厚みで言葉が聞き取れない。
2度目のシャンプーでやっと泡立ち始めた。

「ねぇ、父さんが来たらさー、そのまま一緒に帰るね」

返事がない…答えたところで聞き取れなさそうだけど。

「後でぴーちゃんに連絡しないとね」

泡を流して、顔に置いたバスタオルでガシガシと水気を取る。

「ふー、さっぱりした」
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