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甘えた
第14章 長い一日
「ちょっ…!」

あたしが買った下着も紙袋から出されてるっ!慌てて引っ手繰って紙袋に詰め戻す。

「あははっ。それを穿いてる姿を見ても恥ずかしがらないのに…脱がすのだって俺だよ?」

それとこれは全然違うんですっ!

紙袋を握りしめ、熱い頬を手の甲で隠す。

「面白いね、都羽ちゃん。面白いってゆーか可愛い」

そんなところで可愛いなんて言われても嬉しくないんだけど?
恥ずかしさのあまり、逃げるようにキッチンへ引き返した。

羞恥心でじんじんしながら野菜の皮を剥き、切りそろえる。心なしかまな板の音が大きい。

いきなりリビングから工事現場の電動工具のような音が響いた。5秒で音が鳴りやみ、静かになる。

「都羽ぁー」

「出来た?」

包丁を置いてリビングに顔を覗かせる。

「水持ってきて」

冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを持って、莉壱の隣に座った。

「りんごが大きかったかな?」

「水を足すといいみたい」

スマホで使い方を検索したらしい。
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