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甘えた
第15章 15
「なんでゴムしなかったの?生でなんかして、もしものことがあったらどーするの?」

着替えを終え、ベッドにバスローブ姿で寝転がっている莉壱の隣に並んで座った。

「もしもって?授かった時には産んでよ」

「なっ、な?え?」

あたしの腰に腕を廻し、顔を覗き込んでニッコリするもんだから、びっくりして言葉に詰まった。

「あたしと莉壱の将来だってこれからなのに?」

「子供がいたって大学に行けるよね?就職もできるでしょ?」

「そんなの社会で通用するわけないじゃない」

「どこの社会?都羽はその他大勢に合わせて自分の人生を決めるの?」

「そうじゃないけど…現実には従わないと生きていけないよ?」

「ふーん。ゴム、ゴムってゴムだって完璧じゃないだろ、だったらゴムを過信しないで自分の体のサイクルを把握したら?そんなに世間体こだわるなら結婚するまでセックスしなければいい」

あ…莉壱の逆切れに、論破された。

スポーツ的セックスとかって言ってきたあたしはゴムできちんと避妊出来てたから笑ってられるけど、妊娠する可能性はゼロだったわけじゃない。

極論過ぎる考え方は賛成出来ないが、責任を担った上で『好きな人とするもの』って言ってる莉壱の方がよっぽど間違っていない。
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