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甘えた
第16章 16
確かにそうだ…あたしも莉壱に対して、深く考えずに自分の思いを言葉にした。けど、いざ自分がその立場になると、みっともなく狼狽えている。

「あたしもそう思ってた…でも、会いたい時にすぐに会えない…」

「私と銀河くんも大学は別々だから、今みたいに会えなくなるけど心が繋がってれば大丈夫だって信じてるよ。それにね、家が近くたって離れちゃう時は離れちゃうよね?距離の問題じゃないと思うの」

「あはっ。あたし、ゆめと同じ考え!そう、だめになる時はだめになっちゃうんだから。そうだよね、距離が問題じゃないんだよね」

自分に言い聞かせ、気を楽にさせる。重く考えてたって成るようにしかならない。

共に成長し似たような観念を持つ結愛花の言葉に励まされて、話しているうちに沈んでいた気持ちが浮き上がってくる。

「とわちゃん、ほんと変わったね。女の子になってる。ふふっ」

結愛花があたしの頭をぽんぽんする。

「うん…けっこう弱気になったりすることが多くなってる」

「違うよ?いい意味で言ったのよ。今まで、とわちゃんに頼りっきりだったけど、これからは私にも甘えて欲しいな。恋バナもいっぱいしよ?」

照れる、嬉し過ぎて照れちゃう…結愛花が甘えさせてくれるなんて。

「ゆめ…抱きしめてい?」

「もちろん。私が抱きしめてあげる」

両手を広げて満面の笑みであたしを迎えてくれた。

「大好きだよ…ゆめ」

小さな肩に頬を擦りつけて、そう呟いた。
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