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第17章 １７

飛行機に乗ったことないけど、テレビで見る成田空港や国内線の羽田空港は広くって迷子になっちゃいそうだよね。
芸能人の報道シーンなんかで長い廊下と動く歩道があったりしてさ。

完全に浮足立ってるあたしは、案内表示通りにいとも簡単に到着ロビーに辿り着いて拍子抜けした。

電子掲示板で到着便を確認する。莉壱の乗った飛行機の便もちゃんと載ってる。ここで間違いない。


父さんに電話をして羽田に居ることを話したら、すっごい驚いてた。アジア諸国以外の国際便が到着するってことに。そこかーいっ！
帰りは遅くなりそうって言ったら、
「わかった、わかった。大学は休むんじゃねーぞ。莉壱によろしくなー」
って、さっさと切られた。父さん、ごめん。それに明日は休日だよ。


到着した飛行機から入国手続きを済ませた旅行者がぽつりぽつりとロビーに姿を現し始めた。

ドキドキする。
本当にこの飛行機に乗って帰ってくるのだろうか…少し離れた場所から出口をじっと凝視する。


海外からの旅行者や帰国したと思われるおじさん達に続いて莉壱が姿を現した。
　
急速に心音が跳ねあがる。