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甘えた
第17章 17
空港に併設されたホテルに莉壱が慣れた手際でチェックイン。

かっこいい…セレブ育ちで慣れてるのかもしれないけど、まだ16歳だよ?並んで歩く時も自然にエスコートしてくれて、大人の男性みたい。海外生活っていったいどんなことしてるんだろう……


「なんか、莉壱じゃないみたい」

二人っきりのエレベーターに乗り込むと、莉壱を見上げてほほ笑んだ。

「莉壱だけど?どっか変わった?」

横目で睨まれる。莉壱がよくやる仕草、ああ…莉壱だ。あたしを見下げる角度の目つきは、伏せ目がちで長い睫毛が際立ち、キツさが取れてあたしの好きな可愛い顔になる。

「かっこよくなった」

「ん、なぁに?」

聞こえないはずの音量じゃなかったのに、聞こえなかったかな…?

「かっこよくなった」

はっきりと届くように、でも2回目だからちょっと恥ずかし気に。

「聞こえない、もう一度言って?」

「うそだー、ぜーったい聞こえてたでしょ?!」

「ふふっ、たまには都羽に褒めてもらいたいだろ。あー、今すぐ顔を埋めたい…」

あたしの肩に乗せるつもりで寄りかかった莉壱の傾けた頭に、頭突きをくらった。

「痛っ!」

「あはっ、肩が思いのほか下にあった…」 
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