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甘えた
第17章 17
「あるっ。こんないい男になっちゃって…いきなりあたしより背が高くなっちゃって…そばで莉壱の成長を見てたかったな」

「あはっ、そんなことで?」

「えー、そこ重要ですけど?……そこ…大事だよ」

切なくなって胸板に廻した腕でしっかりと抱きしめる。出来ることならこの腕を離したくない。

「都羽、寂しい?」

それは口に出してはいけない言葉。卒業するまで2年近くもあるのに…今言ってしまったら寂しさに負けちゃうかもしれない。



「うん、寂しい…」



不安がる心を差し置いて…本当のあたしが口を衝いた。

「あはっ…言っちゃった。あたし、我慢できなくなっちゃうかも」

「我慢できなかったら…どうなるの?」

「んー…毎日、莉壱の名前を呼びながら泣いて生きる」

「ふっ。それは大変だな。俺、頑張るよ?はい、これ」

スマホの画面をあたしに見せる。

「ビデオ通話のアプリだよ。時差で昼夜逆転してるから合う時間が少ないかもしれないけど」
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