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甘えた
第17章 17
勝手にダウンロードをし登録を済ませた画面を開いて、隣に寄り添いながら使い方を説明してくれる。

「このアプリ知ってる、友達にも勧められたし…なんで莉壱は使わないんだろうって思ってた」

「都羽、思ってたなら、ちゃんと言って?」

「莉壱こそメールで一言しかくれなかったじゃない…たくさん言葉を返したのに。あの一言だけじゃ読み取れないよ…」

莉壱の元で安心したのか…涙が出てきた。
 
「受験生だっただろ?また『一人で集中させて』って邪魔者扱いされたら嫌だったし。それに俺も授業を詰め込み過ぎて余裕なかったから」

あたしの事を考えて連絡を控えてくれてたってこと?受験が終わったんだから、いっぱいメールくれれば良かったのに。一度不満を口にしてしまったあたしは、後からあとから不満が湧いて出る。

「お花じゃなくて莉壱の声が聞きたかった……」

鼻を啜りながら、本当にいじける。

「都羽?あの日…合格発表の日、待ってたんだけど?」

目を細めて睨みつけられる。

「ん?」

「俺に一番に連絡してくると思ってたのに。俺は怒ってるよ?都羽からじゃなくて植田からの連絡で知った俺はがっかりしたよ」

ああ…そう言われれば全くその通りでぐうの音も出ない。合格に浮かれてたあたしは花が届くよりも先に莉壱に報告しようって考えに至らなかった。

それよりも、今の莉壱の言葉に気になる名前が…

「植田って光政?」

「そうだよ」
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