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甘えた
第18章 18
「莉壱は都羽とどーしたいんだ?」

えええぇぇっ!父さん…ボケちゃった?『一緒に住みたい』って言ってたでしょー。

やだなぁ、莉壱が益々困ってるじゃん。

ここは一旦話を中断させて、後日に改めるか…

「俺は…」

止めようと思ったところで莉壱が切り出した。少し挑みかけるような目つきの余裕の表情で。

「都羽と結婚する」

え?ええっ?!あたし、そんな話、ひとっ言も聞いてないけど?!一緒に住むことだって話題にもしてなかったのに。

ひとり顔を赤くし、おでこに噴き出る汗を手で押さえながら父さんの様子をちらりと見る。

平然とした表情で「ほぉー」と。

「都羽が警察官になりたいってことは知ってる、その為にお父さんに大学へ行かせてもらって勉強も頑張ってるよね。採用が決まってからだって、学校に入校したり、やることは山積みで、仕事に夢中になって結婚なんて考えてもらえないと思ってる。
だから俺は、都羽が人生の中で結婚してもいいと思う時期まで待つつもり。けど、それまでの間、そばに置いておきたい」

その言葉を聞いた父さんは顔を反らして一瞬楽し気に笑った。

「おぅよ、俺はすぐにでも結婚してくれちゃってもいいけどな。大事な娘だ、一時の気持ちだけで覚悟がない奴になんか任せられっか。莉壱に心積もりがあるんだったら、好きにすればいんじゃね?」

「「えっ?いいの?」」

「あんだよー、おめぇらが一緒に住むって言い始めたんだろ?俺はいいよ、いいけどよー独身警察官の同棲はアウトだぜ?」

ニヤリと笑う父さんの前で莉壱の顔が青ざめていった。
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