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甘えた
第18章 18
「ピンポンピンポンピンポーン!ミナミ正解!ってさっき長谷川って紹介したじゃん。弟だから」

「うっそ、銀河に弟なんかいたっけ?確か一人暮らししてたよね」

「異母兄弟です」

「へぇ、そうなんだぁ〜」

「莉壱、長谷川くんに似てるって」

少し意地悪気に揶揄うと、視線を空に逸らした。

「そぉ?初めて言われた」

あの頃から笑う顔はどことなく似てた。成長した今……うーんやっぱり、笑うと似てるかなっていう程度。ミナミの観察眼はすごいな。

「長い遠恋乗り越えたね~すごいわぁ。でもさー、今から大学生だと都羽とさらに差がひらいちゃうね」

「ははっ、縮めたくて頑張ったんですけどね、院も3年かかるから結局差は2年のままです」

「「院?!」」

「莉壱、大学卒業してきたの?」

「そうだよ」

人前で取り繕った莉壱の営業スマイルは、あたしを一瞬にして凍らせた……

そうだったんだ…───

危険を察知したミナミにバイトの時間だからと取り残され、あたしひとり猛烈に莉壱から怒りをぶつけられている。

や、ミナミは怒られる筋合いはないんだけどね。 
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