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甘えた
第18章 18
「俺に関心が無いのかよ?」

新しく一人暮らしを始めた莉壱のマンションに向かう道すがらの痴話喧嘩。繋いでる手に力が込められる。軽く痛い…

「だからぁー、勘違いしてたの。高校卒業して帰国後大学進学って固定観念で、飛び級してるなんて思わなくて」

「何度か大学や院の話はしといたよな?」

「うん、聞かされてたけど、帰国してからの話だと思ってたの…んふふっ」

うっはー、すごい怖い顔で睨んでる。けど、これは平常運転。
すっぽ抜けてたあたしが悪いのは分かってる。莉壱が怒ってるのは、関心を持ってくれないって部分。ちゃんと俺を見てって言ってるだけ。6月に20歳になるというのに、あの頃とちっとも変わってない。

離れていた3年半の隔たりが手繰り寄せられるように繋がって、じんわりと嬉しくなった。

「今の笑うとこ?」

「だってね、こんなちっちゃな画面の中の莉壱を夢中で見て、声に慰められて、莉壱切れになりそうなあたしを充電してたから、ぼーっとしてましたっ」

完全に開き直ったあたし。

「あー、そうかもね。いつもテンション高めか寝坊助だった」

棒読みであたしを責めてくる。すっごい拗ねてる…

ダメだ……コイツ、可愛い……
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